太陽熱温水器とは
太陽光によって水を温めガスや電気、灯油などの熱源を利用せず安価に温水を作ることができる太陽熱温水器は、最近の自然エネルギー利用に対する関心の高まりから、その人気が高まっています。太陽熱温水器の仕組みについて解説します。
主な型式(給湯方式)
◆ 太陽熱温水器がない場合
一般的なガス給湯器を使った給湯は下図ようになっています。
◆ 落水式太陽熱温水器
一番シンプルなのは、落水式という給湯方式です。落水式太陽熱温水器は下図となります。
●太陽熱温水器専用の蛇口を取り付け、バスタブに貯めて、お風呂専用に使います。
●水圧が弱いためシャワーには使用できない。
◆ 水道直結式太陽熱温水器
今ある給湯設備をそのまま使えるようにした、水道直結式という給湯方式です。太陽熱温水器から高温のお湯を給湯器に直接入れると給湯器が壊れてしまうため、ミキシング装置で湯温を調整してから給湯器に供給します。
●天気の悪い日や冬場など、太陽熱温水器からのお湯の温度が低いときは、給湯器で加温します。
●太陽熱温水器からのお湯が十分温かければ、加温のためのガスを使わずにすみます。
◆ 強制循環式太陽熱温水器
貯湯タンクは地上に置き、集熱器だけを屋根の上に設置する強制循環方式です。ポンプで集熱器からタンクに循環され、お湯がタンクに貯められます。
●屋根にかかる過重負担が大幅に軽減されます。
●タンクの設置スペースが必要になり、ポンプも必要になるなど機器も複雑になるため、価格が高くなります。
集熱器の型式
太陽熱温水器は、太陽の熱を吸収して、お湯を作り出す機器です。太陽の熱を集めて、お湯を作る部分は「集熱器」と呼ばれ以下の型式があります。
◆ 平板型集熱器
金属ケースの受熱箱内部に集熱板を配置し、太陽集熱器が平板状になっており、表面は透明な強化ガラスで覆われています。下部は熱が逃げないように断熱材が使われています。
《特徴》
・ 既存の設備に接続が可能
・ 比較的安価である
・ 傾斜角度を付ける必要がある
◆ 真空管型集熱器
太陽集熱器が真空のガラス管でできており、ガラス管の中の集熱部に水を入れてお湯をつくります。真空にすると対流による放熱が少なくなるので高温集熱に有利です。
《特徴》
・ 既存の設備に接続が可能
・ 集熱効率が良く、集熱面積が少ない
・ 水平設置が可能
・ 高温集熱に有利
太陽光発電は太陽光の20%程度しか活用できないのに対して、太陽熱温水器は太陽熱の50%を活用できる高性能の設備です。さらに近年では寒い冬でもお湯が作れる集熱方法が考案されたり、給湯器と組み合わせながら温度調整ができたりと、製品の性能と使い勝手も向上してきています。
導入する際は住宅の条件や家族構成、生活スタイルなどを考えニーズにマッチした製品選びをすることにより、ガス代節約に大いに貢献してくれると考えられます。ぜひ、導入をご検討してみてはいかがでしょうか。